"幸せのプロ"でいてほしい。エスクリの働き方改革は至れり尽くせり!?--前編--

"幸せのプロ"でいてほしい。エスクリの働き方改革は至れり尽くせり!?--前編--

2019年5月27日
編集部

働き方改革の促進に伴い、「女性の活躍」というフレーズも、耳にする機会が増えましたよね。そこで、"結婚式風"入社式でも話題になったブライダル会社エスクリの「女性活躍の促進」についての取り組みをご紹介します。

今回訪れたのは、全国に34会場のブライダル施設を運営しているエスクリ。全社員のうち、およそ7割が女性という同社は、中期経営計画の方針の一つとして「女性活躍の促進」を掲げ、女性が自分らしく働くことができる環境作りに取り組んでいる。そこで、同社が、女性活躍のために、具体的にどのような環境・制度を整えているのか聞いてきた。

お話をうかがったのは、人事部の鶴見さん(写真左)と真嶋さん(写真右)。どちらも小さなお子さんがいるパパとママだ。

──本日はよろしくお願いします。早速ですが、働く女性に対するサポートに力を入れ始めたきっかけを教えてください。

真嶋さん:私自身、2013年に出産しているので、産休や育休からの復職を経験しているんです。産休前から人事部に所属していたのですが、当時はまだまだ出産・育児をしながら働くための制度が整っていませんでした。もちろん、法令通りのものは整備していましたが、実際に自分が妊娠・出産・育児を経験し、子を持つ従業員にとって本当に優しい制度がないことに気が付きました。

ブライダル業界は女性が多く、弊社でも多くの女性が働いています。このままの状態で、彼女たちが母となった時に、「会社としてきちんと対応できるか?」という危機感と、「働く環境の心配をせず、安心して出産や育児を迎えてほしい」という思いから、復職後に産休・育休・復職に関する制度の整備を始めました。

──実際に出産・育児を経験している方が制度を作ったというところに、安心感がありますね。制度を整える中で、気を付けた点はありますか?

真嶋さん:弊社はサービス業なので、土日祝日も働かなければいけないスタッフも多く、結婚式場の現場スタッフは妊娠中でも動き回らなければいけないなど、様々な問題がありました。そこで、実際に働いている仲間の声を聞きながら、現場目線で制度を作るよう気を付けました。

また、ちょうどそれくらいの時期から、採用面接でも「女性が長く働ける会社か?」という目線でジャッジしてくる学生がとても増えてきたので、会社としても、安心して入社できる環境を整えてあげたいという思いがより強くなりましたね。

──具体的にどのような制度を作りましたか?

真嶋さん:例えば、産前休暇は通常6週間前から取得できますが、お腹が大きい状態での立ち仕事を少しでも軽減するために、弊社では8週間前から休暇をとれるようにしています。

あとは、産前ってとてもセンシティブな状態になりますよね。そんな時に、悩みを誰に相談すればいいのかわからない状況にならないよう気を付けています。

例えば、「男性の上司だと話しづらい」とか、「安定期に入るまではあまり周りに伝えたくない」とか「子供を抱えて仕事を続けられるのか?」とか……。妊娠をきっかけに、それまでになかった悩みを抱えて、ストレスになることもあると思います。

だから、産前に上司としっかりと話せる面談の場を設けることにしました。それに際して、上司にも、「こんなことに気遣いながら話を聞いてあげてね」とか「通勤がつらそうだったら少し考慮してあげてね」など、具体的なアドバイスを資料にまとめて共有しています。もちろん、人事部でも細かいところまで質問を受けられる体制をとって、些細な不安も解消できるようにしていますよ。

──復職の時も同じですか?

真嶋さん:もちろん! 産後にも復職面談を設けています。復職に際して「配偶者が協力してくれる状況ですか?」「近くにサポートしてもらえる環境はありますか?」など、環境面も含めてヒアリングし、安心して復職できるようサポートしています。

大切なのは、「復職がゴールではない」ということ。その後も継続的に働ける環境が必要なので、絶対的に無理をしないで復職することの大切さをしっかりと伝えることに、とても力を入れています。しっかり話し合って、不安を解消したうえで、安心して復職してほしいんです。

鶴見さん:育休に入る前に上司と面談しているとはいえ、育休中の社員の中には、不安な気持ちを抱えている人もいると思います。そこで、まだ年に2回位なんですけど、復職状況についてのアンケートを取りつつ、そこで心配なことがあるようだったら、「その問題はこういう感じで解決するから大丈夫だよ」と返事をしています。アンケートだけでなく、ファミリーイベントで顔を合わせたり、いろんな手法で、ちょっとずつちょっとずつ、コミュニケーションをとっています。

──ファミリーイベントの内容を教えてください。

育休中のママはもちろん、復職したママも、子供や仕事について、様々な悩みを抱えていると思います。そこで、育休中の社員や、その子供たちを招待して、みんなが交流できるイベントを開催しているんです。これまでにも、職場見学をしたり、子供がパティシエさんと一緒にお菓子作りに挑戦したりしましたよ。他にも、季節に合わせたイベントとして、クリスマスに社長がサンタクロース姿でプレゼントを配ったり、夏は祭りの縁日みたいに綿あめを作ったり、いろんな企画を開催しました。

ファミリーイベントに参加する中で、まだ仕事に復帰していないママがどういう形で仕事をしていけばいいのかということから、子育ての悩みまでカジュアルに相談できる横のつながりができればいいなと考えています。これまでに、東京と大阪で開催したのですが、100名以上が参加してくれましたね。

──ファミリーイベントを通じて、社員同士が家族ぐるみで交流することで、社内の意識や空気に変化はありましたか?

真嶋さん:そうですね。大きく変わってきたと思います。今まで関わりがなかった部署の社員同士でも、子供という共通点があることでコミュニケーションが生まれたり、会話が盛り上がったり、そして、そのつながりが仕事のやりやすさにつながったり。また、参加者からも「ママ同士で鼓舞しあえるような風土を作っていきたいね」という声が出てきているのですが、それは、ママだけじゃなくて、周りで働く社員の支えや理解があるからこそ成り立っているということを理解しているからこそ、出てきた言葉だと思うんですよね。一緒に働いている人たちへの感謝の思いがあるから、仕事で還元していきたいということではないかなと思うので、いい形で循環し始めているなと感じますね。

>>>"幸せのプロ"でいてほしい! エスクリの働き方改革は至れり尽くせり!?--後編--

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