企業内保育の魅力って? 導入企業で働くママにホンネを聞いてきた!

企業内保育の魅力って? 導入企業で働くママにホンネを聞いてきた!

2019年6月7日
編集部

突然ですが、「企業内保育」を知っていますか? 育児中の従業員が働きやすい環境にするために、一時的に子供を預けられるよう企業内に保育施設を設置することです。最近では、導入する企業も増えてきましたよね。そこで今回は、オフィス内に託児所をオープンしたばかりのエスクリで、実際に子供を預けて働いたママの感想を聞いてきました。

全国に34会場のブライダル施設を運営しているエスクリ。前回のインタビュー では、「幸せのプロでいてほしい」という想いから実践している「"至れり尽くせり"な働き方改革」を紹介した。今回は、その一環として、同社が今年の4月からスタートした企業内託児所についてご紹介しよう。

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左から大倉さんと佐藤さん。

今回お話を伺ったのは、佐藤さんと大倉さん。二人とも未就学児の育児をしながら、働くママ社員だ。

──本日はよろしくお願いします。まずは、お二人が担当しているお仕事について教えてください。

佐藤さん:私たちは、コールセンターでの電話業務を担当しています。弊社が運営している結婚式場の予約一括窓口です。

シフト勤務と子育ての難しさ

──お二人は、最近社内に新設された従業員用の託児所に、試験的にお子さんを預けてからの勤務を体験されたそうですね。託児所ができる前には、具体的にどのような点で働きづらさを感じていましたか?

佐藤さん:私たちが所属している部署は、シフト勤務なんです。基本的には、土日祝日関係なく、みんなで相談してシフトを決めるのですが、子供がいると、日曜日と祝日は保育園がお休みという都合上、出勤できません。だから、そこを考慮してシフトを組ませてもらっていました。でも、やはりサービス業なので、土日祝日の方が受電件数も多いんですよね。それをわかっているのに、なかなか出勤できないというジレンマがありました。

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復職後、想像していたより子供の体調不良が多かったそう。

大倉さん:連休がある月も、人出が必要だとわかっているのに、働くことができない。そんな時には、「(私たちの代わりに出勤してくれている)他のメンバーに負担をかけてしまっているんじゃないかな……」という気負いもありました。シフトを考える時も、まず「今月は祝日あるかな?」というところから考えければいけないし……。

でも、託児所があれば、祝日も休まなくていいので、選択肢が広がることが嬉しいなと思います。母として働くうえで、すごくありがたいですね。

佐藤さん:毎年ゴールデンウィークなどの大型連休は「どうしよう!?」ってなっていましたから。今年なんて10連休だったから、もう去年から話し合っていました。保育園に、「(今年に限り)急遽祝日になった日は開けてくれたりしませんか……?」と相談しました。もちろん、「スケジュールはカレンダー通りなので、ダメです」って断られましたけどね(笑)

大倉さん:うちも同じです! 保育園でもスケジュールが決まっているので、仕方ないですよね。私たちも、祝日だからって10連休でシフトを組んだら、残り20連勤しなければいけない可能性もでてきますし(笑)

不安だらけからスタートした託児所プロジェクト

──社内に託児所を作るという話が出たとき、不安に思うことはありましたか?

大倉さんと佐藤さん:もう、多すぎて!!!!

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子供を寝かしつけた後、海外ドラマを観ながらお菓子を食べてリフレッシュしているそうだ。

大倉さん:不安なことが多すぎて、人事の担当者にすごく細かく質問しました。だって、自分が毎日働いている会社の中に急に保育スペースを作るなんて、みんな想像つかないですよね。「子供たちの声が他のメンバーの迷惑になるんじゃないか?」とか、「衛生面に問題はない?」とか、「通常の保育園は全てが子供に適した作りだけど、子供がいることが前提ではない場所に設置するなんて、大丈夫なの?」とか……。みんな色んなことが気になっていましたよ。

──その不安点は、どのように解消しましたか?

佐藤さん:とにかく、人事にどんどん質問して、たくさん話し合いましたね。

人事担当者:みんなから意見をもらって、「そこは気づいていなかった! 改善しよう!」と、1つずつ問題の対策を考えました。だから、意見をくれたママ社員たちは、本当に、このプロジェクト立ち上げの協力者ですね。みんなに安心して子供を預けてほしいし、預けられた子供にも気持ちよく過ごしてほしいから、疑問や不安は遠慮なく声をあげてもらって、一緒に不安な点を解消しながら進めました。

子供って、意外と強いもの

──実際に企業内託児所に子供を預けて働いた感想を教えてください。

佐藤さん:実際に預ける段階では、設備の不安は解消されていたものの、「子供の精神面が大丈夫かな?」という心配もあったんです。子供にも、それぞれの生活の流れができているので、突然、全く知らない大人がたくさんいる場所に連れて来られたら、きっと不安ですよね。母である私たちも近くにはいるけれど、ずっと姿が見える場所にいるわけではないから。

でも、この不安に関しては、うちの場合は完全に杞憂でしたね。初めての場所だったけど、すぐに遊び始めちゃって(笑)

一同:笑い

佐藤さん:何の心配も要らなかった(笑)保育士さんや他のお子さんたちとも打ち解けて、場所見知りも人見知りもなく、全然大丈夫でしたね。

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託児所の様子。広々としていて、壁には子供向けの飾りつけも!

──大倉さんのお子さんはいかがでしたか?

大倉さん:うちの子の場合は、最初、私が離れるということに気づいて、「行かないで!」ってしがみついて泣いていましたが、私が退室してからは意外とあっさり諦めて、お絵かきをしてましたね。託児所にいるほとんどの子供は、もともと保育園に通っている子たちなので、慣れている感じがしましたよ。「あ~、この感じか。」みたいな(笑)「今からご飯なのか、じゃあ座るか。」って(笑)

一同:笑い

──同じ社内に子供がいることで、お母さんたちには安心感がありましたか?

大倉さん:正直、最初は安心より不安の方が大きかったですね。私たちの部署が、託児スペースから近いこともあって、子供が泣くと、泣き声が聞こえることがあるんです。

佐藤さん:泣き声でわかっちゃうんですよね、みんなそれぞれ「あ、うちの子だ。」って(笑)でも、周りに同じように託児所に預けているママがいると思うと、安心する感じもありましたね。

──社内の託児所を利用することで、1日のスケジュールに変化はありましたか?

大倉さん:単純に子供の送迎時間はなくなりますね。でも、注意しないといけない点が、ベビーカーを押しての通勤だと、通常の通勤時間+30分くらいはかかるんですよ。

だから、事前に、「駅のどこにエレベーターがあるか?」「どのルートで乗り換えればいいのか?」など、通勤ルートを再確認しました。ベビーカーでの移動を考えると、自分ひとりで通勤するルートでは難しいんですよね。だから、ちょっと時間はかかります。

佐藤さん:たしかに。気を付けないと、いつもより時間はかかりますよね。時間に余裕を持つことが大事ですね。

──最後に、社内に託児所ができたことで、他の社員の反応はいかがでしたか?

人事担当者:託児所を利用しない社員から、どんな声があがるかということはとても不安でした。でも、いざ託児所をスタートしてみると、彼女たちの上司や同僚が様子を見に行ってくれたり、写真を撮ってきて、「かわいいね」ってみんなでシェアしたりしてましたね。

大倉さん:そうですね。様子を見に行ってくれた人が「お昼寝してたよ」とか「みんなでご飯食べてたよ」と教えてくれることもあるので、それだけでだいぶ安心できますね。

人事担当者:これまでは情報としてしか知らなかった部下や同僚の子供に、実際に会うことで、意識が変わってきた感じもありましたね。「みんながこのまま働ける環境が継続できるように、自分たちでもできることがあれば協力していきたい」という声も届くようになりました。

今後も課題は出てくるかもしれませんが、そこも積極的に意見を取り入れながら、双方に良い影響を与えることができるといいなと思います。

──託児所を設けることで、ママ社員以外にとっても、積極的に「自分たちの働き方」を考える機会になったのかもしれませんね。本日はありがとうございました。

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