女性社員が8割の工務店! 高千穂の女性リーダーが考える「働きやすさ」とは?--後編--

女性社員が8割の工務店! 高千穂の女性リーダーが考える「働きやすさ」とは?--後編--

2019年7月5日
編集部

全社員のうち約8割が女性社員の高千穂。前編では、女性を多く採用する理由や、現在取り組んでいる働き方改革について伺いました。後編では、同社取締役の近藤さんが考える「働きやすさ」についてご紹介します。


働くことへの向き合い方

──近藤さん自身も通勤と在宅勤務を併用しながら、育児と仕事を両立しているんですよね。ご自身が働き始めて結婚して出産して、環境がどんどん変化してきたと思うのですが、その中で仕事に向き合う姿勢に変化はありましたか?

そうです、リモートワークも併用していますよ。私、5時ダッシュで帰りますから! 子供のお迎えがあるわけではないんですけどね(笑)。残りの仕事は自宅に済ませちゃうということもありますね。

あとは、仕事の向き合い方……。私、家庭のことも、未だに半人前だと思うんですよ。でも、家のことも仕事も、無理はしなくなりましたね。いろんな経験を経て、どっちも無理して頑張りすぎると、1番結果が悪くなるということがよく分かりました。多分、仕事も家庭も「継続できること」が一番重要なんじゃないかな? だから、今の私の仕事への向き合い方は「(良い結果を出すために)無理をしない」ですね。

──近藤さんは、リフレッシュのために何かしていることはありますか?

娘がバスケットボールをしているので、その試合の応援に行くことですね。自分の子供の試合って、すごく面白いですよ! 分身が戦ってるみたいな感じ(笑)。 「いけー!!!走れー!!!」って叫ぶことで、だいぶリフレッシュできてますね(笑)

全てのライフステージで、社員が活躍できるように

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女性の活躍=ママさんの活躍ではない

──昨年、近藤さんが参加されていた横浜市の働き方改革セミナーで「女性活躍=ママさんの活躍ではない。カバーしてくれる人に感謝し、お互いへの関心を持ち、違いを認めあい、褒めあえるカルチャーをつくる。」という考え方がとても印象的でした。その考え方や風土がどのように出来上がったものなのか、教えていただけますか?

これはもう予測の範囲でしかないんですけど、やっぱり社長が積極的に主婦を採用したところからスタートしたと思うんですよね。結局、独身から結婚したり母になったりという人生の移り変わりをみんな同じように経験したということ。だからこそ、それぞれのライフステージで大変な時期や、困っていることなど、お互いに手にとるようにわかる。

そこで、労わりみたいなものが発生して、様々な事柄が自然に調整されてきている気はします。そこに関しては、会社側から指示をしたこともない。でも、社員それぞれが愛情をもって、仲間に接してくれているのは本当に確かなことですね。

──横の絆がとても強いんですね。

そうですね。弊社は女性の割合だけでなく、社員の年齢層の幅が広いことも特徴なんです。20代の社員もいれば、5月31日で退職した最年長の社員は70歳だったんですよ。彼女は最後まで、現役バリバリでしたよ。彼女とは別の女性で、営業で長年営業成績ベストスリーに入っているとても優秀な社員がいるのですが、その女性は65歳です。

「自分が苦労したから部下にも同じ苦労をさせよう」というタイプの方も、世の中にはいますよね。でも、弊社にはそれは全くない。女性が多いということも少し影響しているのかなと思うのですが、逆に「自分が苦労したからこそ、自分の娘には苦労させたくない」という気持ちで、部下を見ている社員が多いようです。

そんな先輩たちが第一線を走り続けて、長年会社を支えてきてくれたからこそ、私たちのような後輩が"歩きやすい道"を作ってくださったんですよね。本当に、すごく感謝してます。

だって、きっとすごくたくさんの苦労もあったと思いますよ。でも、その苦労を後輩に押し付けることは絶対にありませんでした。とても、人間味がある方たちで、だからこそ、営業成績もよかったのだろうし、弊社の風土も守られてきたのだと思います。

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先輩社員が作ってくれた道にとても感謝している。

高千穂の働き方改革、今後の展開は?

──現在、働き方の制度を整えるうえで課題だと思うこと、または今後の展開を教えてください。

働き方改革については、この先もっと加速していくんじゃないかと思うんですよね。今年も、5日間の有休消化の義務化がスタートしたけれど、例えば、今後は10日間になるかもしれないし、「残業時間を0にしなさい」なんてこともあるかもしれない。

そうなった時にリフォーム事業では、ある程度限界があるんです。お客様あってこそのお仕事ですから、お客様のご都合で動かなければいけない場面が非常に多くあるので。お客様の要望に応えながら、自分たちの休みも確保していく。さらに、お客様の絶対数は減らしたくない。それをどうしようかと社内で話し合っているところなのですが、6月からバディー制度を試験的に開始しました。

これまでは、弊社は1人のお客様に対して、担当者も1名。自分が休みたい時でも、お客様からの要望があれば向かわなければいけない状況でした。でも、たとえば、これまで1人で10組みていたところを2人で20組みることにすれば、お互いにうまく調整しあいながら、休みたい時に休めるようにできるかもしれない。

やはり土日の打ち合わせをご希望のお客様が多いのですが、もちろん弊社社員でも家庭の用事で、土日休まなければならないこともありますからね。そのあたりも、これでうまく調整していければと考えています。

──最後に、近藤さんが女性リーダーとして考える「女性の働きやすさ」って、どのようなものでしょうか?

そうですね。家庭や子供の有無に関わらず、全ての社会人にとって、仕事って自分の人生の時間を使うことですよね。しかも、寝てる以外のほとんどは通勤時間か仕事じゃないですか。人生の大半を費やするのだから、充実感とか達成感とか仲間とか、そういった「自分の人生を潤すことができること=働く」という環境を作ることが、女性に限らず必要なことではないかなと。

その人生の大半を費やする時間が、自分の人生にとって素敵な時間でありたいなと思いますし、働く女性にとって、そうであってほしいと思いますね。

──人生の大半を使うことだからこそ、その時間が大切なものになるといいですよね。本日はありがとうございました!


参考: 働き方改革セミナー「生産性向上とダイバーシティがもたらす企業の成長

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