【連載】元公務員ライターのノマド生活レポ ―第11回―「ノマドワーカー歴2年半の今、デメリットだと知ったこと」

2019年12月23日
新美友那

第11回 「ノマドワーカー歴2年半の今、デメリットだと知ったこと」 こんにちは、元公務員ライターの新美です。大卒後に約5年勤めた市役所を辞めてフリーライターに転職、3年目になりました。 この連載では、そんな異色の経歴を持つ私から見た「ノマドワーク」等の新しい働き方や、そんな働き方を目指す方に向けたメッセージを楽しくお伝えしていきます!


モチベーション管理に四苦八苦。監視の目がない

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朝カフェに行くと何とか仕事が始まるので、通っています。

ノマドワーク歴が長くなるにつれ、モチベーション管理の大変さが身にしみています。市役所に勤めていたころは、どんなにモチベーションが上がらない日でも、なんとか出勤すればそれなりに仕事をこなせました。先輩・上司やお客様の目があったからです。

家で1人でノマドワークをしていると、自由な反面誰も監視してくれないので(笑)、お昼寝し放題・こたつでYouTube見放題の誘惑に常に打ち勝って日々仕事をする必要があります。「10分休んだら仕事を再開する!」と決めて常にその通り動ける人なら良いのですが、モチベーションの低い日は10分の休憩が15分になり、30分になり……とつい自分に甘くなりがちです。結果、納期ぎりぎりまでだらけてしまい、焦って原稿を書くはめになったことも……。

ノマドワーカーになりたての頃は「頑張るぞ!」という意気込みが続いたのですが、1年、2年……とノマドに慣れてきたあたりから、ついさぼってしまうことが増えました。「これではいけない」と思い、最近は毎朝近所のカフェに「出勤」しています。きちんと着替えて人目のある場所に出かけるだけでも、家とは集中度が変わります。しかも、よく周りを見てみると、同じようにノマドワークをしている方もちらほら。勝手に親近感を覚えつつ、「よし、頑張ろう」という気持ちになれます。

困ったとき、上司や先輩が隣にいない

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困った時は参考書や検索でなんとかします。

市役所勤務の頃は、困ったり迷ったりしたらすぐ先輩や上司に相談できました。しかし、ノマドワーカーになってからは大体家に1人。誰にも相談できないのが辛いところです。案件の内容や指定に関することならクライアントさんに質問できますが、細かい言い回しや表現などこちらで処理すべき問題については、参考書を開いたりネットで検索するしかありません。細かいことほど聞きづらく、「仲の良い先輩、なんでも相談させてくれたな…」と組織での仕事がうらやましく思い出されることも。

対面での相談の機会は減りましたが、今は編集プロダクション(記事の作成代行を行う企業)に所属しており、定期的に行われるMTGやオンライン飲み会、半年に一度の面談などで質問や相談がしやすい状況になりました。全員ノマドワーカーで、チャットツールで仕事のやり取りをしているので、そこで質問ができるようになっています。

また、市役所を辞めてから独立する前に通った「田舎フリーランス養成講座(2020年よりワークキャリアにリニューアル)」で同期やたくさんのノマド仲間ができたため、その仲間たちにオンラインで相談することもあります。同じ組織で働く仲間が居なくなるからこそ、ノマドワーカー同士の繋がりは大事だなと実感しています。

会話が激減、人恋しくなる

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また同期たちと旅行へ。コミュニケーション、大事……!

意外とこたえたのが、人との会話が激減することです。家で仕事をしていると、日中会話ができるのは飼い猫のちまきちゃんだけ(笑)。夜、同居している彼氏が帰ってきてからは話せますが、彼氏としか会話がない毎日になり、「もっと人と話したい……」という状態に陥りました。

「土日に友人と遊べばいいか」と思いましたが、30代女性ともなると家庭に入ったり妊娠中だったりと、なかなか会えないのが実際のところ。職場での何気ない会話や業務連絡を思い出しながら、「人とのコミュニケーションは大事だったんだな……」と改めて思い知りました(笑)。

今はノマドワーカーの友人たちと定期的に遊びに行くことで、コミュニケーション不足を解消しています。他にもオンラインコミュニティに複数所属したので、今後オンライン作業会・飲み会にも参加しようと画策中です。ずっと1人で家にいると気持ちがふさぐので、これからも意識的に、人とのコミュニケーションを増やそうと思います。


自由な働き方は、その分自己管理や孤独との向き合い方を問われます。「やると決めたらやる」「行きたいところは1人でも行く」と自己管理や1人行動にはちょっと自信があった私ですが、やはり毎日長時間仕事でそれを求められると、大変な面もありました。とはいえ、どれも対策や慣れで克服できるのも事実です。自由度の高い働き方だからこそ、自分に合った対策を見つけ、より良いノマドライフを送っていきたいですね。

執筆者プロフィール
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プロフィール:1988年鹿児島生まれ、東京育ち、千葉在住。 法政大学卒業後、都内市役所に5年ほど勤めて退職。2017年からフリーライターに。編集・取材・講師・イベント登壇を主に行っています。趣味は、アニメ・漫画、美味しいもの巡り、珍しい焼酎を飲むこと、飼い猫と遊ぶこと。 Twitter: @inaka_free213

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