"働きたくても働けない"を打破したい! 長野県駒ヶ根市が取り組むテレワーク事業とは?-後編-

"働きたくても働けない"を打破したい! 長野県駒ヶ根市が取り組むテレワーク事業とは?-後編-

2019年12月10日
編集部

長野県駒ヶ根市が、働きたくても働けない子育て世代のために始めたテレワーク事業。中編では、事業をスタートしてからの課題について話をお伺いしました。後編では、実際にテレワーカーとして働いている高見さんの感想をご紹介します。


──後編からは、実際にテレワーカーとして働いている高見さんにもご参加いただきます。高見さんよろしくお願いします。

高見さん:よろしくお願いします。

──高見さんはもともと駒ヶ根市ご出身ですか?

高見さん:いいえ。出身は埼玉県で、結婚を機に駒ヶ根市に移住しました。現在は4人の子供を育てています。それぞれ高校生、中学生、小学生、保育園に通っているんです。全部いる(笑)。かつ、旦那は単身赴任中です。

──すごすぎるっ!!スーパーママですね!! テレワークセンターでは、どのようなお仕事をしているんですか?

高見さん:文字入力や小学校高学年向けのプログラミング教室の講師、あとは、きのこの栽培とか(笑)。

──きのこの栽培……!? それはもう専門業者の仕事なのでは!?(笑)。プログラミング教室の講師までこなせるって、すごいですね。もとからITには強いタイプなのでしょうか?

高見さん:いえいえ! 結婚を機に駒ヶ根に移住したのですが、それ以前は宝石屋さんに勤めていたんですよ。店舗販売からスタートして、その後は店舗ごとにディスプレイの見本を作って、各店舗の指導をしていました。

PC作業に関しては、もともとタイピング位しか出来なかったので、全部テレワークセンター登録後に、教えてもらって覚えました。

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テレワークセンターの第一印象は…?

──梶田さんと林さんのお話の中で、まずは信用してもらうことが難しかったと出てきましたが、高見さんは最初テレワークセンターに対してどのような印象を持ちましたか?

高見さん:私は、子供が学校から持ち帰ったチラシがきっかけで知ったので、「学校で配られるものなら安心だろう」と思いました。だから、不信感はありませんでしたよ。

──テレワークセンターに登録する前は、どのように働いていましたか?

内職をやっていたのですが、想像していたより融通が利かなくて……。私が勤めていたところは、私が担当する部品ができないと次の工程の担当者が作業を進められないので、毎日部品を取りに行って、毎日完成品を届けなければいけなかったんですよね。また、家庭や学校の行事などがある場合、もちろん多少の調整はしてもらえるのですが、会社が忙しい時期だと申請しにくいですよね。

逆に、働き手に時間の余裕があっても増やしてもらえるということでもないので、そこが悩みでした。そこはテレワークセンターで働き始めて解消されましたね。内職の時は、もらった分だけしかできませんでしたが、ここなら色々な仕事があって、自分が頑張っただけ収入になる。「よし、終わった! 次はこの仕事をやろう!」と、頑張りたいだけ頑張れるのはメリットですよね。

──仕事量を自分で調整できるというのは、子育て世代にはありがたいことですね。

高見さん:そうなんですよ。働いている時は、子供の行事が続くと休みづらく感じることもありました。特に我が家の場合は、保育園、小学校、中学校、高校とそれぞれに子供が在籍しているので、参観日だけでも大変なんですよね(笑)。基本的に参観日は平日なので、そのたびに仕事を休んだり早退したりというのは、さすがに気が引けてしまって……。

あとは、インフルエンザが流行して1週間学級閉鎖になったり、もしも保育園と学校が数日ずれて学級閉鎖になってしまったりすると、2~3週間も子供が登園・登校できない状態になります。会社勤めのお母さんの中には、そのような事情で2週間休んだことで「ふざけるな」って怒られたという話も聞きました。そのような状況だと、2週間休みをもらえたとしても、自分も不安になると思うんですよ。でも、家で仕事ができれば、子供がいても仕事ができるし、周りに気を遣うこともない。

ただ、そこは短所でもあって、さぼろうと思えばいくらでもさぼれてしまう。「仕事……。」と思いながらも1日横目でパソコンを見ているという日もありますね(笑)。

──仕事の種類が多いことも特徴の一つだと思うのですが、実際に様々な仕事を体験してみた感想を教えてください。

高見さん:仕事を色々と覚えていけるので、スキルアップできるという気持ちもある反面、ぶっちゃけ面倒くさいという気持ちもあります(笑)。新しい仕事は、マニュアルを読まないと痛い目にあうので覚える時間が必要なんですよね。その時間がタイムロスだなと感じます。

──今まで経験した仕事で、好きな仕事や自分に向いているなと思う仕事はありましたか?

高見さん:文字入力かな。割と好きなので、ずっとやってられますね。記事作成も、自分が知らないことを調べて書くので、分野によっては、すごく面白いですよ。

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テレワーク仲間との雑談がリフレッシュに。

──基本的には在宅で仕事ができると思うのですが、テレワークセンターに来て、同じテレワーク仲間と一緒に仕事ができるという点についてはどうですか?

高見さん:1人で作業する方がいいタイプの方もいると思いますが、私は、同じような環境の人と話しながら仕事をするのも楽しいです。ここに来ると、雑談があったり、わからないことをお互い聞きあったりもできるので、楽しいんですよ。ここに来てる人って面白い人ばかりだし(笑)。

家で作業していると、気が付けば一日誰とも話していないという日もありますから。子供が小さい家庭では、特にそうじゃないかな。

私の子供はもう大きいけれど、子供が赤ちゃんの時は、旦那が帰ってくるまで誰とも喋らないという日も結構ありました。子供が保育園に入るまでは24時間一緒なので、1日のうちで子供と離れる時間が必要な時もあるかなと思いますね。次会った時、新鮮な気持ちになれますよ(笑)。

あとは、仕事内容によって、質問できる環境の方がいい仕事や、家の方が集中できる仕事があるので、自分の気分や案件によって、使い分けることができるのは嬉しいですね。

──ありがとうございます。最後に、高見さんと同じように、育児世代で時間や場所に制限はあるけれど働きたいという女性にメッセージをお願いします。

自分のスキルで大丈夫か不安でやらないという人もいると思いますが、やってみたら何とかなっちゃうものです。もちろん、向き不向きはあると思いますが、今はみんなスマホとかも使っているので、意外とできると思います。もし迷っているなら、やってみる価値はあると思います。

──仕事だけではなく、コミュニティーセンターのような役割もあるのかもしれませんね。本日は、お忙しいところありがとうございました!

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