【連載】元公務員ライターのノマド生活レポ ―第12回―「孤独感との闘い~1人で働くノマドワーカーの苦悩~」

【連載】元公務員ライターのノマド生活レポ ―第12回―「孤独感との闘い~1人で働くノマドワーカーの苦悩~」

2020年1月6日
新美友那

第12回 「孤独感との闘い~1人で働くノマドワーカーの苦悩~」 こんにちは、元公務員ライターの新美です。大卒後に約5年勤めた市役所を辞めてフリーライターに転職、3年目になりました。 この連載では、そんな異色の経歴を持つ私から見た「ノマドワーク」等の新しい働き方や、そんな働き方を目指す方に向けたメッセージを楽しくお伝えしていきます!


「1人で働けること」はノマドワーカーの大きなメリットですが、慣れてくると逆に孤独感にさいなまれることも。今回は、ノマドワークが日常になり孤独を感じることもある私の「孤独感との向き合い方」についてご紹介します。

人間不信の私ですら、孤独を感じることも……

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飼い猫がいるだけ恵まれていますが…会話はないので寂しい(笑)

私は公務員時代から、人と接することでストレスをためやすいタイプでした。何でもないしぐさに「怒ってる?」とビクビクしたり、「あの時のあの言葉は、実は悪い意味だったんじゃないか……」と勝手に勘ぐったり。毎日8時間以上いろいろな人と接する組織勤めは、私にとってかなりストレスを感じるものでした。軽く人間不信なのかもしれません(笑)。

そのため、人と対面しなくても毎日働けるノマドワークを始めてから、私のストレスは激減しました。「どうしてもっと早く始めなかったんだろう」と、毎日うきうきしていたほどです。ただ、1年、2年……とノマドワーク歴が長くなり、1人で働くことが日常になると今度は「今日、誰ともしゃべってない……さみしい……」と思うようになりました。自分でも意外でしたが、人とのコミュニケーションが減ると気持ちがふさいで、仕事に悪影響が出てしまうことも。

そこからは「こんな日が続いたらまた仕事が苦痛になってしまう!」と試行錯誤するようになり、解消方法をいくつか見つけました。

気持ちが上向くことを「タスクのひとつ」として習慣づける

自分のメンタル面の管理も仕事の一環です。孤独感との闘いは、長くノマドワークを続けるにあたって重要なことだと思っています。一時的に仕事が進まないとしても、その時間を「もったいない」と軽視せず、孤独感の解消法を「タスク」として適宜入れ込むことをおすすめします。

着替えてメイクをする

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メイクは10分ほどですが、それでも気分が変わります。

在宅でノマドワークをするようになってからは「パジャマのまま一日の仕事を終えた方が楽」「外に出ないのに着替える意味ある?」と思っていました(笑)。しかし、実際着替えてみると気持ちも前向きになり、仕事モードに入りやすくなるので、モチベーションが下がったらすぐ着替えるようになりました。ついでにメイクまで終えてしまえば、いつでも外に出られます。

人のいる場所に移動することで孤独感は薄まりますが、「出かけるまでが大変」と身支度をせず、悪循環におちいることもしばしば。まずは「人と関わる準備をする」という意味でも、飽きたら着替えることを習慣にするのはおすすめです。

YouTubeをラジオ代わりにする、音楽を聴く

「そもそも外に出たくない」「近くに適した場所がない」という場合は、人の声を流しているだけでも孤独感が薄まります。ラジオのアプリなどもありますが、私は落ち着く声の方のYouTube動画を流して、ラジオ代わりにしています。好きなアーティストの音楽を聴くのも、やる気が出ておすすめです。私は日本語が耳から入ると文章を作りにくいので、執筆を始めて5分ほどで消すことが多いですが(笑)、気持ちが仕事に集中したら孤独感は気にならなくなります。

カフェやイートインスペースをはしごする

人のいる場所かつノマドワークができるところと言えば、カフェが代表的ですよね。平日だとお茶しにきたりおしゃべりに来たりという人が多いですが、同じく仕事をしている人や勉強中の学生さんなど、頑張っている人を見ると親近感がわいて頑張れます。

また、いつものカフェに飽きたら、コンビニやスーパーなどのイートインスペースもおすすめです。少し雑音が気になる場合もありますが、飲み物もカフェより安いですし、はしごするのも楽しいですよ。

カラオケに行く

「孤独感=ストレスや会話不足」という場合は、カラオケがおすすめです。大声で好きな歌を歌えば1時間ですっきりできますし、防音個室なので飽きたらそのまま仕事もできます。平日の昼間なら他のお客さんも少なく、そこまでうるさくないのでおすすめです。ランチ代が実質無料で付いてくるカラオケ店もあるので、料理をしたくない時にもぴったりです(笑)。

ノマドワーク仲間と「サードプレイス」を作る

家と職場の往復に疲れたサラリーマンが、帰りに居酒屋やカフェに寄る姿はよく見られますよね。ここでいう居酒屋やカフェは「サードプレイス」と呼ばれ、「心地のよい第3の居場所」という意味なのだそうです。ゆるく、楽しく過ごせる「サードプレイス」を、ノマドワーク仲間と作るのもとてもおすすめです。

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やる気の出し方を相談したら、即回答をもらえてほっこり。

私の場合、副業で動画編集を始めたのですが、チャットツール上の動画編集コミュニティに参加して日々会話したり、オフ会に行ったりしています。「いつでも会話できる人がいる」という安心感からか、孤独感がだいぶ薄れました。

特にノマドワーク仲間とのコミュニティなら、相手がよければ平日の日中でもコミュニケーションを取れますよね。TwitterなどのSNSでもこうしたコミュニティは探せるので、家や仕事のことを気兼ねなく話せる仲間を作ったことで、孤独を感じにくくなりました。


ノマドワーカーが陥りがちな孤独感は、実はちょっとした工夫でかなり和らげることができます。特に自分なりのサードプレイスを持っておくと、ストレスなく楽しく気持ちを安定させられるのではないでしょうか。今後も普及していくであろうノマドワークを長く続けるためにも、自分なりの孤独感解消法を見つけておくといいですね。

執筆者プロフィール
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プロフィール:1988年鹿児島生まれ、東京育ち、千葉在住。 法政大学卒業後、都内市役所に5年ほど勤めて退職。2017年からフ13リーライターに。編集・取材・講師・イベント登壇を主に行っています。趣味は、アニメ・漫画、美味しいもの巡り、珍しい焼酎を飲むこと、飼い猫と遊ぶこと。 Twitter: @inaka_free213

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